買い基準明確化のススメと高配当株投資法3つのポイント
株式投資はギャンブルではありません。
よく世間では、株式投資は怖いもののように言われています。しかし、ちゃんとした銘柄に投資をすればリスクを抑えながら安定した成績を残せるようになります。
私も最近は株式投資で安定的な成績を残せるようになってきましたが、株式投資を始めた最初の頃はずっと赤字が続いていました。
安定的な成績を残せるようになったきっかけは、「買い基準を明確に数値で定めて、その基準をクリアした銘柄だけを買う」という投資に対するルールを決めてからです。
株式投資で負けていた当時は、ただ何となく上がりそうな株を買ったり、ただ何となく割安そうな株をかったり、ただ何となく値動きの大きな株を買ったりしていました。
そして、そのようにして買った株がその後何となく下がり続けて、結果塩漬けのまま損失が大きくなっていくということを繰り返していました。
今、株式投資で収益が安定していない方は、まず数値で買い基準を定めるというルールを徹底されてはいかがでしょうか。
数値基準の設定
では、買い基準をどのように定めればよいでしょうか。
PER、ROE、営業利益率、経常利益伸び率、業績計画超過率などなど参考となる指標は色々あります。
例えば、PER10倍以下、ROE12%以上などを組み合わせてスクリーニングしたとしても投資に値する面白い企業は出てくると思います。
これらスクリーニングをしながら、自分に合った企業やスクリーニング方法を探していくというのは一つの手かと思います。
ここで、私が主に重視している指標は配当利回りになります。
以下3つのポイントを基準にしながら、配当利回りの高い銘柄を探しています。
(1)株主優待込み配当利回りが4.0%以上であること
(2)無理して配当を出している企業でないこと
(3)投資先が同じ業種に偏らないこと
それぞれの基準について、どのようなことを意識しているかを簡単にコメントしていきたいと思います。
高配当株投資~3つの基準
(1)株主優待込み配当利回りが4.0%以上であること
そもそもですが、配当利回りの高さを投資の指標として重視している理由は、将来的には配当金を収入の柱としたいと考えているためです。
それはそれとして、配当利回りが4.0%以上であるということは、年間で株価が4.0%下落しても実質的な損失は生じないということも意味します。
投資金額が少ないうちは、この4.0%という数値はあまり気にならないかもしれません。しかし、投資金額が増えてくるとじわじわとボディブローのように効いてきます。
例えば、3,000万円株に投資していた場合、年間120万円までは株価が下落したとしても実質的には損失は生じないことになります。
高配当株は値動きも地味で、小型成長株のように短期間で2倍、3倍を狙うことは難しいと思っている方も多いかと思います。しかし高配当株がキャピタルゲインを狙えないということはありません。
例えば、以前高配当株として保有していたカワタ(6292、プラスチック成形品の開発・販売)の株価は2年で5倍になりました。
また、同様に高配当株であったヤマシンフィルタ(6240、建設機械用フィルターの開発・販売)は2年で20倍弱になりました。
いずれも購入当時の株主優待込み利回りは4.5%ほどあったものの、出来高は少なくほとんど注目されていないような銘柄でした。
しかし、いずれの販売製品も時代のニーズにマッチし、売上・利益が急拡大し、それにあわせて株価も短期間で大きく上げました。
カワタ(6292)、数年前、優待込み利回りが5%弱くらいのとき何の考えもなく買っていたら、今日トリプルバガー達成してましたの。
地味系バリュー株は、たまに材料株として取り上げられると大爆発することがあるので、面白いものですの。
ヤマシンフィルタ(6240)とかとか。— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年10月2日
上記以外でも、サカイホールディングス(9446)、エフティグループ(2763)TOKAIホールディングス (3167)など配当目的で購入し、短期間で株価が倍以上になった銘柄は多くあります。
ちなみにこれら銘柄は普段、配当利回り4.0%以上の条件でスクリーニングをかけたり、株式優待利回りランキングが載っているサイトを見たりしながら探しています。
(2)無理して配当を出している企業でないこと
たまにその年に得られた利益よりも多くの配当金を出している企業があります。
そのようないわゆるタコ足配当をしている企業はいずれ減配する可能性が高いので避けるようにしています(減配が発表されれば、もらえる配当金が減るだけでなく、株価も大きく下落する可能性があります)。
例えばスクリーニングをするとき、PER25倍以下などの条件を含めておけば、タコ足配当企業を検索結果から除くことができるかと思います。
また、配当金に特別配当や記念配当を含む場合、翌年減配される可能性があるため、その配当がすべて普通配当であるか確認しておくということも必要かと思います。
(3)投資先が同じ業種に偏らないこと
同じ業種の株は、それぞれ似たような値動きになることが多くあります。
投資先の業種が偏っていると、その業界の景気が悪くなってきたときにリスク分散を働かせることができません(持っている株すべてが下落したり、減配されたりする可能性がでてきます)。
できる限り、幅広い業種の株を保有し、ポートフォリオ内でリスク分散させることをお勧めします。
現在、配当利回り3.5%以上を条件としてスクリーニングをすると、住宅・マンション販売会社、商社、証券会社が多く出てきます。
これら企業の多くはPERも低く、割安感もあるようにも見えます。
しかし、これら銘柄は景気に敏感な業界に属しており、これら銘柄しか持っていないと、全体の景気が悪化してきたときに、他の銘柄よりも大きく株価下落率が大きくなる可能性があります。
以上、私が高配当株に投資するときに意識している3つの基準となります。
高配当株投資をするときにおススメの持ち株評価方法
少し話は変わり、高配当株投資をするときにお勧めの持ち株評価方法があります。
それは、保有資産額ではなく配当金総額で自分の持ち株を評価するということです。
株式市場が大きく下落したとき、自分も焦って冷静な判断ができなくなり、狼狽売りしてしまうことがあるかと思います。
しかし、この評価方法を取り入れておけば、どんなに株価が下落したとしても配当金総額はその時点では変わるわけではなく(その後業績悪化に伴い減配される可能性はありますが)、株価の下落に対してどのような対応を取るべきか冷静な判断ができやすくなります。
例えば、平均利回り4%で1,000万円の株式を保有していたとします。
このとき1年間でもらえる配当金は40万円になります。
ある日、株式市場がクラッシュして持株が800万円まで下落したとします。
このとき、保有資産は1,000万円から800万円まで20%減ったことになりますが、受け取る配当金は40万円で変わりません(平均利回りは5%に上昇します)。
株式市場では、動揺して狼狽売りをしている人が多く出ているかもしれません。
しかし、そのようなときでもポートフォリオ上の配当金額は変わらないため、狼狽売りなどする必要はなく、むしろ割安になった株を買うくらいの冷静な判断ができるかと思います。
また、株価が大きく下落するときは、資産が減るだけでなく精神的にも大きなダメージを受けることが多いかもしれません。
しかし、配当金総額評価法を取れば、何らポートフォリオ内の価値評価は変わらない(配当金総額は減らない)ことから株価下落時の精神的ダメージを軽減させることができるかと思います。
さいごに
ここでは、株式投資で安定的な成績を残すため、「買い基準を明確に数値で定めて、その基準をクリアした銘柄だけを買う」という投資ルール設定をお勧めしました。
また、数値基準として高配当株投資法についてご紹介しました。
個人投資家に人気の高成長(グロース)株投資も確かに魅力的ではあります。しかし、目利きが非常に難しく、また成長が止まったときに大きく売られることも多くハイリスクハイリターンな投資であると言えます。
これに対し、今は評価が低いけれども何かの拍子に業績急拡大のチャンスのある高配当株への投資は比較的ローリスク、ロー~ミドルリターンを狙える投資かと思います。
買いの数値基準設定には相性があると思うので、色々な条件でスクリーニングをしながら、皆さんのやり方にあった方法を確立させていってください。
本記事が皆さまの投資活動の一つのヒントになれば幸いです。