ストップ高・安の配分割当ルール

ストップ高・安の配分割当ルール

ストップ高・安の配分割当ルール

皆さまは、ストップ高・ストップ安の張り付きを経験されたことはありますでしょうか?

企業が想定以上の好決算を出してきたときや、有力企業との提携などを発表したとき、たまに株がストップ高で張り付くことがあります。

また、大方の予想を裏切るような悪決算を出してきたときや粉飾等の不祥事を起こしたときなど、株がストップ安で張り付くこともあります(精神的に非常によくないです)。

好材料が出るなどして値幅制限いっぱいまで株価が上がったのに、買い数量の方が売り数量よりはるかに多い場合、買いたい人全員がその株を買うことはできず、引け(最後)にストップ配分方式という方法でその株式を「買うことができる人」が決められます。

では、このストップ配分方式ではどのようにして「買うことができる人」を決めるのでしょうか。

ストップ配分の割当方法

ストップ配分の割り当ては、以下順番によって行われます。

1.証券会社への割り当て
2.証券会社から買い注文を出した人への割り当て

では、まず証券会社への割り当ての方法について、具体的な事例をもって説明していきます。

証券会社への割当

例えば、なのネット株式会社という会社があり、来期の経常利益が前期比10倍になるとの計画を発表し、朝から買い注文が殺到したとします。

ザラ場中も値がつかず15時の段階で、

・買い注文:5,000株
(うち、SBI証券からの注文:3,000株
楽天証券からの注文:1,900株
GMOクリック証券からの注文:100株)
・売り注文:600株

の注文があったとします。

このとき、株式の割り当ては注文数量の多い証券会社から1単位ずつ順番にされていきます
例えばこの事例では、注文数量の多いSBI証券⇒楽天証券⇒GMOクリック証券の順番に割り当てがされます。

表にすると、以下順番によって配分されていきます。

SBI証券 楽天証券 GMOクリック証券
買い注文数 3,000株 1,900株 100株
割当(1巡目) 100株 100株 100株
割当(2巡目) 100株 100株 なし
割当(3巡目) 100株 なし なし
合計割当数 300株 200株 100株

2.証券会社から買い注文を出した人への割当

証券会社への割り当てが決まれば、次は証券会社から買い注文を出した人に割り当てがされます。
この買い注文を出した人への割り当て方法は、証券会社によってルールが異なります

例えば、SBI証券の場合は次のルールに従い、成行買いを優先に発注時刻が早い人から割り当てがされます。

SBI証券の割当ルール

以下の順番で、1注文ごと1単位ずつ配分が行われ、2順目以降もこの順番によって1単位ずつ配分が行われる。

(1)成行注文
(2)寄成注文
(3)引成注文
(4)不成注文
(5)制限値段(ストップ高・ストップ安)の指値注文・制限値段(ストップ高・ストップ安)の寄指注文
(6)制限値段(ストップ高・ストップ安)の引指注文

また、上記(1)~(6)のそれぞれの注文においては、発注時刻が早いものから優先され、発注時刻が同じ場合には抽選がなされる(午前8時ころまでのご注文については、発注時刻は同じとして取り扱われる

・SBI証券 割当例1:400株が個人投資家に割り当てられる場合
Aさん Bさん Cさん
注文形態 成行買い 成行買い 指値買い
買い注文数 1,000株 1,500株 200株
注文時刻 10時 14時 9時
割当(1巡目) 100株 100株 100株
割当(2巡目) 100株 なし なし

⇒①成行買いのAさん、Bさんが指値買いのCさんに優先
発注時刻の早いAさんがBさんに優先して割り当て

・SBI証券 割当例2:100株が割り当てられる場合
Aさん Bさん Cさん
注文形態 成行買い 成行買い 指値買い
買い注文数 1,000株 1,500株 200株
注文時刻 前日22時 7時 7時
割当(1巡目) 抽選 抽選 なし

⇒①成行買いのAさん、Bさんが指値買いのCさんに優先
AさんとBさんは同じ時刻に注文をしていると扱われ、AさんとBさんの間で割り当て抽選がなされる

GMOクリック証券の割当ルール

GMOクリック証券では、以下ルールに従い、注文数量が多い人から割り当てがされます。

(1)顧客ごとに注文数量を合計
(2)注文合計数量の多い顧客から順に1単元ずつ配分
(3)割当数量が無くなるまで(2)を繰り返す

具体例を以下に示します。

・GMOクリック証券 割当例:400株が割り当てられる場合
Aさん Bさん Cさん
注文形態  成行買い  成行買い  指値買い
買い注文数 1,000株 1,500株 200株
注文時刻   10時   14時   9時
割当(1巡目) 100株 100株 100株
割当(2巡目) なし 100株 なし

⇒2巡目は一番買い注文数の多いBさんに割り当て

証券会社ごとの割当ルール

以下に、証券会社ごとの分配割り当てルールをまとめました。

証券会社名 割当ルール
SBI証券 成行注文を優先して、注文時刻の早い人から1単元ずつ配分
楽天証券 成行注文を優先して、注文時刻の早い人から1単元ずつ配分
マネックス証券 成行注文を優先して、注文時刻の早い人から1単元ずつ配分
GMOクリック証券 注文数量順に1単元ずつ配分
松井証券 注文数量順に1単元ずつ配分
SMBC日興証券 注文時刻の早い人から配分(単元ごとの配分ではない)
auカブコム証券 非公開

さいごに

以上のように、注文さえあれば注文数量の大小にかかわらず、ほぼ均等に証券会社への割り当ては行われます。

そのため、ストップ高配分で割り当てを狙うときは、SBI証券や楽天証券など多くの人が使っている証券会社から注文するのではなく、あまり他の人が使ってなさそうな証券会社から注文をする方が割り当て可能性は高まるかと思われます。

具体的には、内藤証券やマネーパートナーズなどが狙い目かもしれません。

ストップ高・ストップ安の配分割当ルールを知ることで、皆さまの収益向上の一助となればと思います。

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