営業キャッシュフロー赤字リスト①~2017上半期編
営業キャッシュフローは、仕入れ、製造、販売などを通じてその会社が利益を得るために本業で稼いだキャッシュを示す指標です。
営業キャッシュフローが赤字の企業や、損益計算書の利益と営業キャッシュフローの数値が大きく異なる企業は注意が必要です。
(営業キャッシュフローについては、決算書はここだけ読め! キャッシュ・フロー計算書編(前川修満著)が非常にわかりやすくてオススメです)
ここでは、損益計算書では黒字なのに営業キャッシュフローは赤字の企業などを集めてみました。
前、アールビバンのCF計算書を見て以来、経常利益は黒字で営業CFは赤字の会社を探すのが何だか楽しい感じですの。
例えば、先日通期赤字の大幅下方修正を出したライトオン(7445)は、前期経常利益36億円に対して営業CFは28億円の赤字とその予兆は営業CFに見られていましたの。— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年4月27日
というわけで、なのが見つけた経常利益は黒字で営業CFは赤字の会社を少しずつ紹介していきたいと思ってますの。
なお、紹介会社はなののポジションとは関係ありませんの。— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年4月27日
メガネスーパー
最近、twitter上でメガネスーパー(3318)という単語をちょくちょく見かけるので(なのも2年くらい前にクオカードほしさに株を持ってたことがあり)、直近どうなってるのかと思い、少し見てみましたの。 pic.twitter.com/fyUZEKnJkg
— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年1月11日
確かにここ1年以上、既存店月次売上は100%を超えていたり、営業CFが黒字に転換していたり、業績は底打ちしてると思いますの。
— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年1月11日
気になったのは、絶対額はそれほどでもないですが商品と売掛金の対総資産比率が27年4月期までふわふわと上がっていたことですの(売掛金比率は28年4月期も上昇)。丁度この頃債務超過のため上場廃止の猶予期間に入っていたので多少はチャレンジしていた可能性もあるのかな…と思ってしまいますの pic.twitter.com/RhDIZ9wz5x
— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年1月11日
あと監査している監査法人よつば綜合事務所は去年の11月に「監査法人の運営が著しく不当なものと認められた」として、公認会計士監査審査会から勧告を受けていますの。https://t.co/AlqR032db8
ここに関しては、出てきた数字を頭から信じるというのは危険かと思いますの…— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年1月11日
※メガネスーパーの営業CFは、2015年4月期は赤字でしたがそれ以降は黒字に転換しています。
アールビバン
なのはB/SとP/Lは読めるのですが、CF計算書はどうしても苦手にしていたので、最近「決算書はここだけ読め! キャッシュ・フロー計算書編」を買って読んで勉強しましたの。
— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年3月22日
この本は、解説もかなりわかりやすく、さらに東芝のCF計算書が注意事例として載っていたり(発売日は2010/8/19)、CF初心者が勉強するのにはなかなかお勧めな本ですの。
https://t.co/orHO4LtoUW— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年3月22日
というわけで、なのの持ち株についてCFの観点から再チェックしてみましたの。そしたら、一つ結構やばそうなのがありましたの…
アールビバン(7523)— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年3月22日
アールビバンはここ4か月ほど上がりっぱなしでしたが、それでも利回り4.8%、PBR0.62倍をキープするなど一見なかなかのバリュー株ですの。さらに萌え系絵師を囲い込んでいて、コンテンツ銘柄としての潜在的な爆発力も持っていて、数年前からこつこつと1,000株まで買い増していましたの pic.twitter.com/eKMDyaNPCx
— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年3月22日
ただ、アールビバンのCFを見てみると、経常利益はずっと黒字なのに営業CFは2期連続で大幅赤字、さらに今期も中間期の営業CFは赤字でしたの。
これは怪しいと思い、ここ7年の売上債権回転率(売上高÷売掛金)を計算してみましたの。— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年3月22日
すると、毎年売上債権回転率はきれいに低下していましたの。ちなみに、売上債権回転率は6以上が理想で3以下が要注意な感じですの。
回転率0.55とかクラクラしてくるレベルですの。 pic.twitter.com/9tr3PWsIbw— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年3月22日
さらには、アールビバンはここ10年で3回監査法人を変えていますの。
これもきれいに少しずつ大手→準大手→中堅監査法人へと…みすず監査法人(~H19年)
→新日本監査法人(~H21年)
→優成監査法人(H28年)
→明治アーク監査法人(現在)— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年3月22日
以上、3連休中にデューデリして、昨日寄り付きで1,000株全部売りましたの。
ここ10年くらいのらりくらりとやってるっぽいですし、現金も40億円以上あるので、今すぐ何かが起こるということはないと思いますが、触らぬ神にたたりなしですの。— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年3月22日
これはなのの勝手な独り言ですが、数年以内にまた監査法人が変わって、それがカウントダウンの始まりかなという気もしないではないですの。
— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年3月22日
↓2日後に特損が発表されました。
版画及び美術品を棚卸資産として保有しているが、更に長期保有する方針に変更し繰延税金資産8億円を取り崩し、貸し倒れ引当金1.44億を管理費から特損へ振り替えたことにより営業利益と経常利益は増加、純利益は9.3億の減額修正、最終赤字転落
— ありゃりゃ (@aryarya) 2017年3月24日
アールビバン(7523)、貸倒引当金の計上と繰延税金資産の取り崩しで2017年3月期の最終利益を330百万円の黒字から600百万円の赤字に修正ですの。
先週の桧家HDの東証上場といい、何かさえっさえな感じですの(こんな偶然中々ないのでアピールですの😅)。 https://t.co/ywnudO7fks
— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年3月24日
アールビバンのここからは、明治アーク監査法人の、中堅監査法人としてちゃんと仕事をしないといけないというプライドと、契約をきられないようクライアントの主張を聞き入れたふりをしないといけないという実際上の利益とのせめぎあいのバランス次第かと思いますの。。
— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年3月24日
アールビバン(7523)、かなりわかりにくいIRですが、貸倒引当金等150百万円を追加で特別損失に計上してますの。
ただし事業好調から、経常利益は上方修正、最終利益は予想値ほぼ変わらずですの。
相変わらずよくわからない会社ですの。 https://t.co/VRNPDeWLer— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年5月15日
ジャパンマテリアル
#営業CF赤字リスト
□ジャパンマテリアル(6055)①
・経常利益はずっと黒字ですが、H28年3月期とH29年中間期の営業CFは赤字ですの。
・売上債権回転率は要注意の3を下回っていることが多いようですが、特に悪化しているというわけではないですの。 pic.twitter.com/NIS5PYHVx6— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年4月27日
#営業CF赤字リスト
□ジャパンマテリアル(6055)②
・売上が2年前から倍になっているので、どこかしらに歪みを抱えていてそれが営業CFに反映されてる可能性もあるかもしれないですの。
・営業CFの他にH28年3月期の最大販売先が東芝(28億円)というのも気になるところですの。 pic.twitter.com/5aQmFMljtb— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年4月27日
不動産業界
最終利益が黒字で営業キャッシュフローが赤字の会社を一つずつ紹介していこうと思ったら、不動産・マンションディベロッパー系で当てはまる会社がやたらと多かったので、ここでまとめて紹介しますの(一部最終赤字会社含む)。 pic.twitter.com/jM1BkAG3u6
— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年5月7日
最近、今は不動産バブルか?といった記事をよく見かけますが、これだけ多くの不動産系会社が営業CFを赤字にしてまで棚卸資産(販売用不動産など)を増やしているのを見ると、やはり不動産バブルに近い状態なのではないかと感じてしまいますの。
— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年5月7日
不動産は、優待にQUOカード出す所が多いので
ディア・ライフ、エストラスト 、アルデプロを持っていますクマ^^;
人口減少はどの業界にとってもマイナスだけど
不動産は、特にリスクあるクマかね…— ごんぞう (@onigirisukiyan) 2017年5月7日
ごんぞうさん、不動産系は市況が反転してきたら厳しくなるとは思いますが、かといってその潮目がいつになるかわからないですし、全くPFから外す必要はないかと思いますの🍀
なのもディアライフ、サムティなどなど不動産系株持ってますし。
常に警戒心を持っておくことが重要かなーと思いますの。— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年5月7日
ちなみに、不動産売上ランキング上位の三井不動産、飯田グループHD、三菱地所、住友不動産、東急不動産HD、野村不動産HDやマンデベの中では比較的手堅いとなのが思っている日本エスリードやタカラレーベンの営業CFは黒字で、業界全体がバブルに突き進んでいるというわけではなさそうですの。
— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年5月7日
ラ・アトレ
不動産系営業CF赤字会社の中でも特に際立つのが次の会社ですの。
— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年5月7日
#営業CF赤字リスト
■ラ・アトレ(8885)①
・2016年12月期は、最終利益1.7億円に対して、営業CFは47.3億円の赤字でしたの。
・保有現預金は9.2億円なので、保有現預金に対する営業CF比率は▲5.1(!)になりますの。 pic.twitter.com/J7RDMUbp0o— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年5月7日
#営業CF赤字リスト
■ラ・アトレ(8885)②
・ハイリスク経営度合いが半端なく不動産価格が下落に転じたらあっという間にどうにかなってしまいそうですの。
・ただしPERは5.8倍、時価総額は30億円で動意付けば一気に株価は数倍になる可能性もあり、空売りすることも非常に危険ですの— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年5月7日
加藤製作所
#営業CF赤字リスト
■加藤製作所(6390)①
・H28年3月期は、最終利益35億円の黒字に対して、営業CFは76億円の赤字でしたの。
・売上債権回転率、棚卸資産回転率ともにきれいに右肩下がりになってますの。 pic.twitter.com/WZOURFT5fk— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年5月11日
#営業CF赤字リスト
■加藤製作所②
・特にH28/12の棚卸資産回転率はH26/3の3分の1以下になっていて、すごい勢いで在庫が溜まっていってる感じですの。
・売上債権回転率は1.1で、要注意ラインの年3回転を大きく下回っていますの。— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年5月11日
#営業CF赤字リスト
■加藤製作所③
・同業種で売上債権回転率を比較したところ、コマツ:2.9、竹内製作所:3.8、オカダアイヨン:3.7でここの数値の悪さが目立ちますの。
・明日5/12は決算日なので、前期営業CFと今期予想をどう立ててくるのか密かに注目しているところですの。 pic.twitter.com/zNwxA4tC9c— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年5月11日
ディー・エル・イー
ディー・エル・イー(3686)、次の営業CF赤字リストで紹介しようと思っていたら、先に大幅下方修正が出てましたの(残念…)。
前々から指摘されてる方もいらっしゃいましたが、損益計算書とキャッシュフロー計算書のアンバランスさがかなり際立ってる感じでしたの。— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年5月15日
マックハウス
#営業CF赤字リスト
■マックハウス(7603)①
・H26年2月期~H28年2月期までの3期、経常利益は黒字でしたが、営業CFは赤字でしたの。
・H24以降の商品回転率を調べると、きれいに右肩下がりになっていますの(H29年2月期の商品回転率は3.3)。 pic.twitter.com/g3KUWMZZhw— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年5月21日
#営業CF赤字リスト
■マックハウス②
・同業種のアダストリア12.5、ファーストリ6.6、オンワード6.1と比較してもかなり在庫が積み上がっていますの。アパレルの場合、商品回転率の低さは在庫過多だけでなく、流行に合った商品をタイムリーに出せていないことも意味してるかと思いますの— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年5月21日
#営業CF赤字リスト
■マックハウス③
・ファーストリテイリングと同じ商品回転率にしようと思うと、約50億円の商品減損が必要になるかと思いますの。
・ただ、現在の株価はこの減損分を織り込んでる可能性もあるかと思いますの。— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年5月21日
#営業CF赤字リスト
■マックハウス④
・一応、無借金経営で親会社(チヨダ)が比較的しっかりしていることと、優待込み利回りが5.7%で買い目線でも見れることから安易な空売りもリスクがある銘柄かと思いますの。— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年5月21日
#営業CF赤字リスト
■マックハウス⑤
・シナリオとしては、
① 商品減損計上→ややマイナスもそれほど影響なし?
② ①とともにV字回復シナリオ→悪材料出尽くしで上昇?
③ ①とともに減配又は優待改悪→結構マイナス?
あたりを勝手に想像していますの。 pic.twitter.com/pjTTza3l5M— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) 2017年5月21日